Reunion in Hokkaido

自転車が好き。サイクリングが好き。そして何より旅が好き。
次はどこへ行こう? そう考えるだけでワクワクがとまりません。



峠越えに温泉に美味しいごはん。
忙しく暮らしていると忘れがちな、小さな気づきに溢れる旅。
それを叶えてくれるのが自転車なのです。

北米・シアトルと東京の2拠点で活動しているこの数年。
日本を離れている時間が増えたせいか、
この国の美しさがよりいっそう実感できるようになりました。

今回出かけたのは、学生時代からの友人が家族で住んでいる北海道・宗谷郡。
ずっと訪ねたいと思いながら早いく年。
東京&シアトルの2拠点生活を送る今、次はいつチャンスが訪れるかわかりません。
この期に、そして本格的な冬が訪れるまえに、どうしても訪ねておきたかったのです。

プランニングには、国土地理院発行の5万分の1地形図とツーリングマップルを併用
一緒に出かけたのは親友のYくん。
東京でランチをしているときに共通の友人Kちゃんと会いたいねという話で盛り上がって、
日本最北端のまち、稚内で待ち合わせをするというプランが
あれよあれよという間に決まりました。

Kちゃんにメールを送ると、程なくして
「いいよー! 大歓迎。いつでも遊びにおいで」

こういうとき、古くからの友人となら、
あーしたい、こーしたいと主張できるから気楽なものです。

せっかく友人のKちゃんの家を訪ねるのだから、
まわり道をしてサイクリングをしていこう。
Yくんも北海道に自転車を持ってきてくれることになりました。

仕事の都合で友人は最終の飛行機と深夜バスを使って稚内へアプローチ。
だから私は一人、空路で稚内に前泊をすることに。

オーストリッチの軽量輪行バッグを使用。通関手続きのない国内線はトラブルに遭遇する率が低い
集合は朝の8時。稚内の道端で。
学生のころ、よく使っていたテクニック(?)です。

「○○の交差点の近くにいるよ」
そんなメールが朝早く友人から届きました。

朝食を済ませたあと、指定の交差点へと向かいます。
北海道宗谷郡稚内市。

東京からおよそ1000km離れたこの場所で……

「あー。久しぶり! おはよう!」

この気軽さがたまりません。
自転車っていいなぁ。友達っていいなぁ。

オロロンラインを南下して抜海を目指す。今にも雨が降りだしそうな曇り空
初日は、オロロンラインを経由して内陸の豊富へ。
石油の香りがする真っ黒の源泉が有名な豊富温泉のある町です。
学生の頃は通り過ぎてしまったこの温泉に、どうしても入ってみたかった。

曇り空。数分後、豪雨に見舞われることに
道中、突然の豪雨に見舞われて、
レインギアを着込む余裕もなかったから、ほんの数分で全身びっしょり。
まさかこんなに降るなんて! もちろん写真を撮る間も無く、
大慌てで抜海駅に駆け込み、ひと休み。

北海道・宗谷本線の抜海駅。映画「南極物語」(1983) の舞台となったことで一躍有名に
情緒あふれる抜海駅は鉄道マニアのあいだではとても有名な駅。
私たちが雨宿りをする間にも、数人の来訪者がありました。

最北の木造駅舎としても知られている趣ある駅舎
2時間ほどで雨はやみ、サイクリングの再開です。
のんびり、まったり。
農道を適当に、なんとなく南に向かって走ります。

雨も止んでホッと一息。とくにルートは決めず、農道を縫うようになんとなく走って南下する
せっかく日本海側にいるので夕日を眺めるために、
サロベツ原野のビジターセンターを訪ねることにしました。

サロベツ原野。数年前に訪れた時にはなかった新しいビジターセンターが建ち、木道が整備されていた
日の落ちはじめたサロベツ原野に人影はなく、
静かで厳かな雰囲気が漂っています。

学生の頃に戻った気分で。イマイチ飛べていない気も、、
宿までは数km。
ナイトランはちょっぴり怖いけれど、明るいライトがあれば大丈夫。
と、言い聞かせて日が沈むまで待つことに。



日本海に沈む夕日。利尻富士のシルエットがくっきり。
利尻富士は利尻島の中心に聳える主峰。
稚内側から見ると山が島と一体になって、まるで海に浮かんでいるように見えるんです。
いつか登ってみたい山の一つです。

30分ほどナイトランを堪能して、無事に本日の宿へと到着。
念願叶って真っ黒い温泉、豊富温泉を堪能することができました。

ところでこの温泉、話には聞いていたけれど本当に石油っぽい香りがするんです。
宿の女将さん曰く「臭くて入れないっていうお客さんもいるんですよ」。

こんな面白いお湯、ほかではなかなか味わうことができません。
確かに強烈な匂いだったけれど、出かけられてよかったです。

皮膚病などに効くといわる豊富温泉には全国から湯治客が訪れるという
翌日は豊富温泉から友人Kちゃんの住むオホーツク海側の村・猿払を目指します。
距離も短いので、行き当たりばったりでもいいかな?
いくつかルートが選べるので迷ってしまいます。



どうせならグラベルで行こうか、ということで未舗装の道道をチョイス。
路面状況は未知数ですが、もし難しければ戻って別の道を選べばいいだけのこと。
今日は時間に余裕もあるので心配無用です。

ところが、こんなに走りやすいグラベルは久しぶり。
いい意味で期待を裏切られました。この道、オススメです!

走りやすいグラベルの道道732。全長約16.5 km
道道を抜けた後は、猿払へは少しまわり道になるけれど、
北オホーツクサイクリングロードへ。

あまり手入れはされていないけれど、
旧国鉄・天北線の廃線を利用したものなので、フラットで走りやい道でした。
かつてここに鉄道が走っていたのだと思うと、ちょっと感慨深いものがあります。

日本のサイクリングロードは鉄道の廃線跡を使ったものが多い。基本的にフラットで走りやすい
こちらはサイクリストの定番・エサヌカ線。
まっすぐに伸びる道路脇には1本の電柱さえ立っておらず、開放感がすごい。
とりあえず、どこまでも行けそうな気がしちゃうから不思議ですね。
人気のある道だなぁというのも納得です。


そして、エサヌカ線を1本入った、貝殻の敷き詰められた海岸線の道は、潮風の香り。

海岸線に出られる小径もそこかしこに
道北・宗谷地方は、グラベル、舗装路、峠越えにフラット、山道に海岸線にと、
バリエーション豊かなプランが立てられる、変化に富んだ地形が魅力。
ほんの数日のサイクリングでも、いろいろな景色を楽しむことができるエリアです。



今回のサイクリングは、2泊3日でその魅力を満喫することができました。
楽しかったサイクリングの終わりはKちゃんの自宅で。
猿払といえば、ホタテ! 猿払は、ホタテの養殖で超有名な町なのです。

殻つきホタテ貝は6〜10月ごろまで村内の直売所などで販売されている
朝採れ(?)のホタテは、甘くて身がしまっていてプリップリ。
猿払のホタテは初夏から夏にかけてが旬だと聞きましたが、絶品。。

ホタテのお刺身、フライにバター焼き。
特産のホタテをみんなで調理して、お腹いっぱいいただきました。


最終日は朝から雨予報。
Yくん、Kちゃんファミリーと一緒に宗谷岬観光を楽しむことにしました。


って、ものスゴイ雨で観光どころじゃなかったのですが……

なかなか訪ねることのできていなかったKちゃんの住む猿払村。
いつか一緒にいこうと言いながら実現できていなかった、Yくんとの北海道サイクリング。
ようやく念願叶えることができました。

明日から仕事のYくんとは稚内でお別れ。稚内空港でお見送りです。

稚内空港。冬期は便数が減るが、羽田からの直行便は通年運航
Yくん、ありがとうー!
また走りに行こうね。

ここから先は一人旅。
のんびり気ままに、私のささやかな旅はもう少し続きます。

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